映像メディア表現の教育的意義 感性による教育の地平から/柳沼 宏寿(編著)
本書は、美術教育における映像メディア表現の教育的意義に関する論考・実践集である。近年、社会のグローバル化やICT化の加速とともに映像メディアの重要性は増すばかりだが、その一方で教育現場におけるカリキュラムやメディアリテラシーなどの整備は追いついていない。歴史的にも極めて重要なこの時期に、先端的な理論と実践を集約し今後の道標とすることが本書のねらいである。
映像メディア表現は、無論、領域に閉じたものではないが、美術教育からのアプローチには特別な意味がある。美術教育は、その目標に人間形成が据えられ、また、鑑賞活動によって鑑識眼を培ってきたからである。新時代の科学的側面に流されることなく、「感性」という視点も対地させながら本質に迫る議論を生み出すことが重要であろう。
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